“死者”およそ6千人、“帰宅困難者”は453万人にも…いま「首都直下地震」が発生したら?

2022年08月20日 13:22

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。今回は東京都が10年ぶりに見直した「首都直下地震の被害想定」について取り上げました。
首都直下地震の被害を想定したのは、以下の4つです。

1.都心南部直下地震
2.多摩東部直下地震
3.立川断層帯地震
4.マグニチュード8クラスの大正関東地震

いずれも、空気が乾燥して、ガスや暖房器具などの利用が増える冬の午後6時に地震が発生した際、どのようなことが起こり得るのかが予測されています。それぞれの地震の被害想定をお伝えします。

都心南部を震源とした地震=都心南部地震では、東部や南西部を中心に23区のおよそ6割にあたる地域に、震度6強以上の揺れが襲うとされています。そして、湾岸や川に近い江東区や江戸川区、荒川区などの一部地域では震度7に達すると予想されています。

この地震による都内の被害は、死者およそ6,148人、負傷者は9万3,435人、揺れや火災による建物被害は、およそ19万4,431棟、帰宅困難者はおよそ453万人にのぼると見られています。

ただ、10年前に出された想定と比べると、死者数をはじめ、負傷者、建物の被害もおよそ6割に減りました。想定被害が小さくなった理由として、東京都は今の耐震基準を満たす住宅を示す耐震化率が、10年前より10.8%高い92%になったことや燃えやすい木造密集地域が減り、街並みの不燃化が進んだことが挙げられます。

続いて多摩東部直下地震が起きた場合、三鷹市や東久留米市、小平市、武蔵野市など、多摩地域のおよそ2割を震度6強以上の揺れが襲うと見込まれています。東京都がこの地震被害を想定したのは初めてのことです。最初にお伝えした都心南部直下地震と多摩東部直下地震は、今後30年以内の発生率が“70%”とされています。

また、立川断層帯地震は30年以内の発生率は0.5%~2%。武蔵村山市や昭島市など多摩地域の9市町では震度7の非常に強い揺れが想定されています。死者はおよそ1,500人とされ、前回の想定よりもおよそ1,100人減りました。マグニチュード8クラスの大正関東地震は、プレートの動きによる海溝型地震で、30年以内の発生率は0~6%と予想されました。

このように被害想定が大きく変わった点もありますので、ぜひ知っておいてください。耐震化などで、被害想定は縮小されましたが、この10年で私たちの暮らしは大きく変わったことによる問題点もあります。

例えば、通信の変化、スマートフォンは普段の生活が便利になった反面、災害時にはつながりにくくなります。最近、街中にある公衆電話の数が少なくなったこともあり、東京都は「東日本大震災の当時以上に、公衆電話に長蛇の列ができるのではないか」と想定されます。

また、10年前に比べて木造の建築物が密集している地域に1人で住む高齢者や、マンションに住む高齢者が増えていることも新たな問題につながると見られています。

(TOKYO FM「防災FRONT LINE」放送より)

TOKYO FM Plus ニュースより引用致しました。

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